- 2023.12.21
- 『いい風呂の日』体験レポート
- 湯田川温泉では、11月26日「いい風呂の日」にちなんで温泉モニターをSNSにて募集しました。ご応募いただいた方々には、1時間という短い時間ではありましたが、各旅館で湯田川のお湯を体験していただきました。「ぽかぽかになった」「とっても気持ちよかった」などの嬉しい感想もあり、湯田川のお湯を知っていただく良い機会となりました。 この記事では、「いい風呂の日」の体験レポートを紹介したいと思います。予定が合わず、今回参加出来なかった方や、「湯田川温泉に行ってみたいけど、どんな場所だろう」と気になっている方の参考になれば幸いです。 . . 秋の終わりが近づき、ひんやりと肌寒くなった11月の終わり頃。「いい風呂の日」にやってきたのは、湯田川温泉の「隼人旅館」。この土地で400年以上続く老舗宿ですが、昨年リニューアルされて外観・内装ともに生まれ変わったそうです。新しくなった姿をひと目見ようと、たのしみに向かいました。 「隼人旅館」は青い瓦屋根が目印。 ここは、幕末に活躍した浪士組「新徴組」の本部跡。 いざ、館内へ。以前宿泊した時のことを思い出して、なんだか懐かしい気持ちに。 入り口の格子戸は、リニューアルで黒に塗り替えられた。モダンな雰囲気がかっこいい。 「はやと」の焼印になんともいえない風情が漂う。下駄を履いて温泉街を闊歩したい。 リニューアルされた館内は明るく、2階から移築したという格子飾りが光る。 ロビーには、貴重な資料が保管されている。 湯田川温泉の旅館はそれぞれに特徴がありますが、中でもこの「隼人旅館」は、庄内の歴史と文化を色濃く感じられるお宿です。幕末に「江戸のお巡りさん」と呼ばれ、活躍した浪士組「新徴組」が、湯田川温泉を拠点とした際、本部として使用されたのがこの「隼人旅館」。リニューアル後も以前と同様に、当時の残留品や、「新徴組」にまつわる資料を見ることができます。 冬のはじまりは寒さに身体が慣れていないので、実際の気温よりも体感の方が低く感じますよね。そんな時には、温泉で身体を温めるのが一番。しばし館内を見学した後は、念願のお風呂へ。 暖簾をくぐる、わくわくの瞬間。 ざばぁっと注がれる源泉から、立ち上る湯気。 常に新しいお湯が注がれ、湯船から溢れ続ける贅沢なオーバーフロー状態。 お湯は無色透明で癖がなく、さらさらとしています。 水色とベージュの落ち着いたトーンがかわいい、レトロなタイルも必見です。 ざばざばと溢れるお湯は、源泉掛け流しの証拠。湧き出た源泉は、水やお湯を足すことなく、温度調節さえも行わず、湯船に注がれます。これこそまさに、本物の温泉。湧き出たばかりの新鮮なお湯は、例えるなら新鮮なお野菜を食べた時のようにエネルギッシュで、浸かると元気が湧いてきます。このお湯を通して、湯田川温泉を囲む山々や、作物を育む土の清らかさを感じて、まるで自分も自然の一部になったかのような気分になりました。 熱すぎず、ぬるすぎず、ちょうどいい温度も嬉しいポイント。40分ほど湯船から出たり入ったりを繰り返し、体の芯まで温まりました。 お風呂のあとは、由豆佐売神社にお参りを。 ここは、映画「たそがれ清米衛」のロケ地になった場所。記念のパネルには、銀杏と紅葉が飾られていました。 共同浴場の「正面湯」でめぐり湯もたのしめる。 温泉で温まったあとのお散歩は、ひんやりとした空気が気持ちよく感じました。30分ほど散策をたのしんだ後も、まだまだ身体はぽかぽか。さらに自宅に帰ってからも、しばらく温かさが持続していて、冷え性には大変ありがたいお湯だなと感じました。まだまだ寒い日が続くので、また近いうちに訪れたいと思います。 . . 以上、「いい風呂の日」参加者の体験レポートでした。ご参加いただいた皆さまへ、心よりお礼申し上げます。また是非、湯田川温泉に遊びに来てください。
- 2023.12.12
- 【グリーンGYM】に参加しました。
- 楽しく動いて環境保全!【鶴岡グリーンGYM】に参加しました。 湯田川温泉の春の味覚といえば、「孟宗」が有名ですね。 孟宗とは、湯田川温泉一帯で採れるタケノコのことで、スジのない柔らかさと、えぐみのない味わいが特徴です。 毎年、雪溶けの頃に芽吹き4月下旬〜5月上旬頃に食べ頃を迎える孟宗ですが、一体どんな場所で育っているのでしょうか?そんな好奇心から、湯田川温泉の竹林整備を兼ねた鶴岡グリーンGYMに参加してきました。 湯田川温泉の竹林へ。 正面湯から由豆佐売神社を通り、湯田川の名所を巡りながらたったの5分程度で竹林に到着しました。雪の残る竹林は、白と緑のコントラストが印象的でした。 はじめにストレッチをしながら、竹林整備について学びます。 美味しい孟宗が育つためには、日々の竹林のお手入れが大切なのです。 『唐傘をさして竹に当たらず歩けるような竹林が理想的。古くなった竹を間引き、 新しい竹に陽を当てて風通しをよくしていきましょう。』 そう聞いてじっと竹を観察すると、確かに、ツヤのある若い竹と、カサカサとした古い竹があることがわかります。 この古い竹を切ることで、竹林を整備していきます。 さあ身体を動かそう。 いよいよ竹林整備が始まると、ここからは体力勝負。グリーンGYMの本領発揮です。 ノコギリで竹を切る人、なたで枝を落とす人、綺麗になった竹を短く切る人など、役割分担で竹林の整備を進めていきます。 湯田川の竹林は斜面に広がり、ただ歩くだけでも足腰や体幹が鍛えられそう…! 気づくとかなりの運動量で、冬場だというのに汗が流れてきます。 ふと周りを見てみると、みんなとても楽しそうに作業をしていました。 体力に自信のない方やお子さんも、自分のペースで参加出来るのがいいところ。 間引いた竹で、ベッドを作ってひと休み、なんて素敵なシーンもありました。 自然は足りていますか? 湯田川孟宗の育つ竹林は、予想以上に空気の良い、きれいな場所でした。 身体を動かすのが好きな方には、勿論おすすめ出来ますが、日々PCと向き合っている自然欠乏の方にも、ぜひ参加していただきたいアクティビティでした。森林セラピーという言葉もあるように、なんだかとても癒されたような気がしました。 楽しく運動した後は、あたたかい温泉に入って、夜はきっと熟睡できるはず。 これもまた、温泉地の正しい楽しみ方かもしれません。
- 2022.12.31
- モニター体験会冬〜報告コラム〜
- 秋。黄金色に輝く穂を刈り上げ、天日に干し、人の手で脱穀され仕上がった、お米と稲わら。そしてこの冬、湯田川温泉旅館協同組合では次なるプロジェクトがスタートしています。それは、湯田川の温泉で芽出しされたお米を使った日本酒の醸造。12月中旬、秋にも実施したモニター体験会の第2弾を開催しました。 ちらちらと雪の舞う日、参加者の皆さんにお集まりいただいたのは、湯田川温泉“芽出し米”を使った酒造りを委託している、鶴岡市大山で400年以上の歴史ある酒造「渡曾本店」。大山は最盛期には50軒を超える酒蔵が軒を連ね、「東の灘」と称されるほど酒造りで栄えた街です。 モニター体験会は、普段一般の方は立ち入ることのできない酒蔵の醸造工程の見学から始まりました。お酒に使われるお米は、食事用のご飯と違い、炊かれるのではなく蒸しあげられます。大きな蒸し釜から、かじかむほど冷えた冬の空気に、もくもくと湯気が立ちあがります。蒸しあがったお米は41~42度程度に冷やされ、麴室(こうじむろ)へと移されます。この麴室で種麴をふりかけ、52~56時間かけてお米のでんぷんを糖化させ、麴が完成します。この日は、生成途中の麴も特別に味見させていただきました。 麴は完成間近なものほど舌でその違いを感じるほど甘く、干し米のよう。参加者の皆さんも初めての体験に、「日本酒の甘い、辛いは温度管理によるものなのか?」など聞いてみたいことがたくさん。実際の現場を体験しながら杜氏さんへ直接質問できるなんて、酒好きにはたまりません。次は、この麴と蒸し米、水から酒母といわれる酵母を作るもとになるものを培養する様子を見学。 通常多くは乳酸を添加して1週間~10日程で酒母を育成する速醸(そくじょう)という方法が使われますが、今回湯田川温泉“芽出し米”で作るお酒は、自然にある乳酸菌の発酵を促して酒母を育成する生酛(きもと)造りで行われています。この方法は酒母が出来上がるまでに3週間ほども時間を要すると伺い、益々期待が高まります。そして、ここで造られた酒母を仕込みタンクへと移し、麴と7~8度まで冷やしたお米を3回に分けて入れていきます。 もう仕込み部屋は日本酒のフルーティーな芳香がしてきて、普段日本酒を飲まないという女性の方々もあまりの良い香りに、「今晩はちょっと飲んでみようかな」と。こうして酵母(糖)がアルコールへ変わり、日本酒となっていく様子を見学し、目の前で瓶詰めされた出来立てほやほやのフレッシュな日本酒を、今晩の夕食の席へお持ち帰り。最後には絞られた後の酒粕も見せていただき、酒蔵の体験ツアーは終了しました。 続いて向かったのは、こちらも大山にあり北前船で栄えた「善宝寺」でのご祈禱体験。「善宝寺」は龍神様をお祀りしたお寺で、海の生き物を供養するための五重塔があることから、漁師や海に関わる仕事の方の信仰を集めていることで有名なお寺です。 このご祈禱、ちょっと他とは違います。太鼓が打ち鳴らされ、15名を超える僧侶が一斉に読経を唱えながら、経典を次々にめくるさまは、まさにエンターテインメント。不謹慎かも…と思いながら、ついつい互いに「面白かったね」と言ってしまいます(笑) 冷え切った身体を芯から温める昼食は、何と言っても中華そばでしょう! 訪れたのは、鶴岡市 三瀬にある中華そば処「琴平荘」。湾状の海岸線の隣に建つ「琴平荘」は、もともと旅館を営んでいて、海水浴の閑散期にラーメンを提供し始めたのがはじまりなのだとか。2002年に中華そばの提供をスタートすると、たちまち大人気となり、県内外から人が訪れる名店に。あまりの評判で、現在は旅館を廃業し、毎年10月から翌年5月まで、約半年間の期間限定で開くラーメン店として、県内外問わずたくさんの人に愛されています。 日本海を望みながら、温かいラーメンをいただく。きっと最高の時間になるだろうと期待を胸に車から降りると、なかなか前に進めない…!?そう、冬の日本海は強風注意!風で前に進めないというのは、滅多にない経験かもしれません。夏には青くキラキラと輝く海が、真っ白に。 岩に波が激しくぶつかった際に生まれる「波の花」という白い泡は、極寒の海の風物詩です。 中華そばは「あっさり」か「こってり」の好みを選べるのが嬉しいところ。注文してほどなく、熱々の中華そばが目の前に!スープは鶏ガラベースに、魚介の旨味がきいたどこか懐かしさを感じる味わい。ツヤツヤもちもちの中太縮れ麺が澄んだスープとよく合います。ひと口いただくと優しいスープが冷え切った身体に沁みわたっていくよう。寒い冬にぴったりな、至福の一杯をいただきました。 手指も温まり、お腹もいっぱいになったところで、午後からは秋に刈った稲わらを使ったしめ縄づくり体験です。今回は参加者全員で1本のしめ縄を作り、湯田川温泉の守り神“由豆佐売神社”の大イチョウに奉納します。由豆佐売神社は、芽出しにも使われる温泉の泉源となる女神を祀る神社。その温泉によって芽が出て、たくさんの実りを与えてくださったことに感謝を込めて、しめ縄を奉納し、また来年の豊作を祈ります。早速わら細工の先生にご指導いただきながら、縄をなっていきます。 はじめに藁を柔らかくするために、(今回は)ビール瓶を使い叩いていくのですが、一斉に叩く様子が可笑しくて、自然と参加者同士の距離も縮まります。スタッフも含めた12名中10名が縄ない初挑戦という、ちょっと不安なスタートでしたが、お互いに教えあい、コツをつかんだ時には歓喜しながら、手を動かすこと1時間半!一人一人が作った縄をつなぎ合わせると、立派なしめ縄が完成しました! そしてお待ちかねの日本酒を楽しむ夕食会。一品一品、地元の食材と鶴岡ならではの郷土料理を味わいながら、午前中、直に瓶詰めされる様子を見てきた日本酒に杯を傾ける、他では決してできない体験です。先程まで一緒にしめ縄を作っていた一体感もあり、参加者同士も見知った仲のように和やかなひと時でした。 その宴を締めくくるのが、湯田川温泉に江戸時代から続く道化かぐら“湯田川温泉神楽”です。軽快なお囃子にのって出てきた獅子が、まるで生きているかのように踊り舞い、しまいには、どうなっているのかビールの一気飲みまで披露して客席は大盛り上がり。そこへやってきた“ちょんべ“とよばれるひょっとこが、また驚くほど表情豊かに獅子へいたずらを仕掛けては、追いかけられ、客席まで巻き込んでひと騒動を繰り広げます。誰もがこんな神楽、今まで見たことがありません(笑)この神楽は例年、土用の丑の日に行われる「温泉清浄祭」でお披露目されている由緒ある神楽。 湯田川温泉の時間軸には、温泉とお米とそれを祀る文化が流れています。この度のモニター体験会では、その一部を体験いただきました。春。4月に入ると、また新しいお米の種が温泉を産湯にして芽を出します。こうしてご参加いただいた皆様が、第二の故郷のように、湯田川の時間の流れに会いに来て下さる、そんな体験を届けたいと思います。
- 2021.11.15
- 善寳寺で禅体験
- 善寳寺で禅体験! 海の守護神である龍神のお寺として、全国から参拝者が訪れる龍王尊 善寳寺。 人面魚がいると話題の貝喰池や、広大な境内と貴重な建築物、文化財にも指定されている繊細な彫刻など、見どころの多いお寺です。 そんな善寳寺で、禅体験をしてきました。 〈精進料理〉食を通していまと向き合う。 精進料理体験では、一汁三菜の精進膳をいただきました。 禅の作法を教わりながら、姿勢を正してしっかりと座り、いま自分の目の前にあるものと向き合う時間。「食」について改めて考えることで、本当に贅沢な食事とは何かを学びました。 精進料理と聞いて、「おいしそう」というイメージはあまりないかもしれませんが、善寳寺の精進料理はその味わいも評判で、龍の目をモチーフにした胡麻豆腐は名物にもなっています。 お子さんと一緒に参加した体験者さんには、紙風船や「だるまさんとすわろう」の冊子も用意されていて、子連れで参加できるのも嬉しいですね。 〈坐禅体験〉自分のこころと向き合う。 坐禅体験は、まず自分の身体をゆるめていくストレッチからはじまります。 身体がゆるんでいくと、不思議とこころの状況がみえてくるもので、自分の内側と向き合う準備が整いました。 坐禅というと厳しいものを想像しますが、やさしく丁寧に教えてくれるので、ここでの坐禅体験は瞑想やヨガをしているイメージに近いのかもしれません。 終わったあと、何故だかすこしスッキリ晴れやかな気持ちになっているような…。そんな坐禅体験でした。 〈写経体験〉無になる時間をすごす。 用意されたお手本をもとに、墨と筆を使って写経をしていきます。 普段の生活ではなかなか使うことのない筆で、難しい漢字を書いていきます。 これが予想以上に難しく、すこしでも綺麗な字を書こうと熱中するうちに、気づけば無心になって、息をすることすら忘れていました。心を静かに整えて、熱中する時間。現代人にはとても貴重な時間かもしれません。 3つの禅体験を終えて、ご祈祷を。 坐禅をするうちに浮かんできた自分の新しい願いを込めて、ご祈祷を。 祈ることは、自分の心の奥にある願望に気づくこと、誰にも有効なマインドフルネスだと思います。 旅行者の方が参加するのを想像して、旅先で新たな発見や成長があったら素敵だなと思いました。自分探しの旅や、なにかの節目に善寳寺を訪れてみてはいかがでしょうか。 詳しくは下記にお問い合わせください。 善寳寺 選べる体験プラン http://ryuoson.jp/zen/